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ゆかりさんと学ぶ心の科学入門 その3 「スプラリミナル」の補足


本編はこちら
ゆかりさんと学ぶこころの科学入門その3

前回に引き続き、お詫びからの開始となりますが、ご了承ください。

スプラリミナルについて


動画本編では、「スプラリミナル」という単語について
「あまり聞いたことがない」というお話をさせていただきました。

が、私自身も実際にそうなのだろうか?
と思って(動画投稿したのちに)調べたところ、
サブリミナル実験を行っている論文や、サブリミナルを扱う書籍などでは使用されているようです。
この場を借りてお詫び申し上げます。
(動画制作時パソコンでは信頼に足る資料が得られませんでした。)

さて、動画内でも少し触れたかとは思いますが
サブリミナルが「閾下(知覚できない)刺激」であるのに対して、
スプラリミナルは「閾上(知覚できる)刺激」となります。
(知覚:外界からの刺激を「刺激として自覚する(わかる)」こと)

用語の使い方としては、

○○をスプラリミナル呈示し、5秒に1度、3000分の1秒ずつ××をサブリミナル呈示した。

とか

○○をスプラリミナル呈示(200ms)した群と、サブリミナル呈示(20ms)した群とで××の□□へ与える影響を検討した。

とかになります。
サブリミナル呈示群に対応する形で、統制群(何もしない群。対照群とも)として
スプラリミナル呈示群の紹介を行うときに使用する感じですね。

コカコーラ実験では
映画「ピクニック」…スプラリミナル刺激
「コーラを飲め」、「ポップコーンを食べろ」…サブリミナル刺激
ということになりますね。

あと余談ですが、心理学分野では「呈示(ていじ)」という言葉がよく使われます。
「(物体を)相手に差し出して見せる」という意味です。

「提示」だともっと広い意味になります。
「(物以外も含め)相手に知らせるために出す」
というような意味になります。

なので、
画面に「○○は××です」と注意書きを提示した。
という使い方や、
周辺視野領域に200ms「○○」の文字を呈示した。
という使い方になります(人によって異なります。)。

パソコンの変換でミスると最悪減点食らいますので、論文提出の際はお気を付けを。

チラッと見えた!サブリミナル?


動画本編でも少しだけ触れたのですが、一応補足しておきます。
youtubeとかの(不安をあおる系動画)にもよく見られるのですが、
一瞬だけ、画面の上に文字が表示されて、並べ替えると
「タスケテクダサイ」になってるみたいな感じのあります。
あれはサブリミナルではないので勘違いのなきようにお願いいたします。
言ってしまえば「気づくように意図的に差し込んでるパフォーマンス」です。
瞬きでモールス信号を送ってるとかならともかくとして、
あの程度ならば「第三者(組織の者)によって検閲」されていたらその人が必ず気づきます。

何よりも、「コマ送り」、「スロー再生」無くして一般人には絶対に知覚できない視覚刺激
でなければサブリミナル刺激(視覚)とは言えません。
サブリミナルは先にも述べた通り、「閾下の(知覚できない)刺激」という意味なので、
「なんか今チラッと移ったような…」というのはサブリミナルでも何でもないのです。
「チラッと」でも見えてしまってはサブリミナルではなくなってしまうのです。
結構勘違いしている人が多いですが、
サブリミナル刺激は、「見えない」し「聞こえない」し「気づけない」ものを指します。
先に述べた通り「閾下の~」をサブリミナルと呼びますので、お間違えの無きよう。

ちなみに言えば映画は24fps、地デジ放送は30fpsです。
(fps…フレームパーセカンド…一秒間に表示されるコマの数)
故にテレビ放送でのいたずら(別画面の1フレーム差し込み)は33msなので、見えます。
(ms…ミリセカンド…1000分の1秒の単位)
よって厳密にはサブリミナルではないと言えます。
尚、実験などで用いられている視覚でのサブリミナル呈示時間は4ms(1000分の4秒)とかです。
なのでコカコーラ実験でも3000分の1秒(0.33ms)とかを映画の上に二重映写したんですね。
(1フレーム差し込む場合約42ms使用してしまうため、二重でなければ実験が行えない。)

強引に心理学風に名付けるとすれば「プライミング(先行)」ですかね。
これはプライミング効果という、似たような現象があるのですが、
プライム(先行刺激)がターゲット(その後の刺激)の処理の仕方に影響を及ぼす。
といったものです。
プライミング効果の場合は知覚できる(閾上)刺激を使います。
(プライミング効果は大学で習うのですが、ここでは、スプラリミナルという表現はしません。
基本的にはサブリミナルと対になる形で用いられるのではないかと思われます。)

ただ、その後の刺激の処理の仕方に影響を及ぼすことを狙ったのではなく
「なんか裏がありそうだ」という話題作りのために行っているだけなので、
(いや、どうかは知りませんけど)
正確に何なのかといえば多分「スプラリミナルメッセージ」(見える言葉)ですかね。
つまり普通に一瞬だけ文字を表示しただけになっちゃいます。
もし本当に何か隠されたメッセージがあるとするならば、
この手の誰にでもわかるようなメッセージはブラフ(ハッタリ、囮)でしょう。
都市伝説の類でも「選ばれた人間のみが気付くようなメッセージを巧妙に…」なんて言ってますよね。
だいたい全員が気付いてますので、そのメッセージは違うということが論理的に考えられます。
サブリミナルと似てますけど、
「分かる人にしか分かんない」から隠しメッセージなのであって、
「分かるように書いてあったら」隠しメッセージではないんですよね。
(このように連想することは非常に重要な思考方略です。)
でも分かるように書かないと全く話題にならないので、
再生数でお金を稼ぎたいのであれば、「あえて分かるように」文字を差し込むのです。
60fps動画で1フレーム差し込めば16msになりますが、多分ギリ見えるんじゃないかなと思います。
なんで、多分動画サイトなどでは再現は困難でしょうね。
(詳しい閾値はちょっと知らないので憶測です)

とはいってもサブリミナルの定義(実はまだしっかり定まっていない)の一つに
閾上刺激であっても「気づけなければ」サブリミナルといってしまってもいい。
というものがあります。
どういうことかというと、

「しっかり視覚情報として知覚できている」にもかかわらず、
「そのメッセージにまで気づけていない」もの

ってありますよね。
コカコーラの広告に男性器だの男性の腹筋だのが見えるっていうやつ(こじつけ?)です。
あれをサブリミナル広告とかって呼んだりします。
「666」がパッケージ内に巧みに隠されているとか。

動画内でも分かりやすすぎる例を出しましたが、(次センテンスで詳しく記載)
「トリックアート(だまし絵)」と呼ぶか「サブリミナル広告」と呼ぶか
これは個々人にお任せします。
気づいてしまってる人からすればトリックアートですね。
気づいていない人に紹介するときはサブリミナル広告(陰謀)といった方が
目を引きますよね。
そういうことなんだと思います、この手の絵っていうのは。
ただの遊び心だったり、サブリミナル的な手法を狙っていたり…
真偽はわかりませんが、このあたりになると胡散臭いような気もしてきますよね。

錯視?トリックアート?


動画後半ではいくつかの画像をご紹介しました。
分からないように性的な描写を含んでいる(特にラクダの絵)ものです。
先ほど言ったように
「見えていても気づいていなければサブリミナル刺激」といえますので、
こういった広告があった場合にはサブリミナルであるともいえます。
(気づいた瞬間にサブリミナルではなくなります、知覚できるかできないかの問題なので)
色々なことが言われていますが、
「意図して作ったのであれば」サブリミナル刺激ですし、
「意図して作ってないもの」であれば、偶然であるということです。
これは当たり前ですね。
ただ、見る側がサブリミナル的に「見えてしまった(知覚はしていない)」場合は、
意図せずサブリミナル効果を与えてしまったことになります。
ロールシャッハテストのように、
何の変哲もないインクの染みですら、人間の前では何かの模様に見えるのです。
それと同じで、何の変哲もない模様が(欲求不満のせいかは知りませんが)
性的なものやメッセージに見えてしまう、ということもあると言えます。

ちなみに余談ですがロールシャッハテストは
「一回見てしまったらもう二度とできない(効果がない)」テストです。
ウェブ上にいくらでも落ちているロールシャッハテストは実は適当に作った例なんですね。
(教科書にも本物の絵は載っていないはずです。)
心理学科生は
「一回見たらもう検査の意味がなくなるので、見たくない人は目を伏せてください」
とまで言われてロールシャッハテストに触れたりもします。
(私の学校がそうでした。)
理由としては、「一回見てしまったら、その絵に意味を持たせてしまっているから」です。
心理学の本当の心理テストっていうのはこれくらいシビアなものなんですね。

話は戻りますが、
天井の染みを見て、「人の顔」だったり、「動物の顔」だったりに見えるなんて話は
よく耳にすることかと思います、
(今後休み時間パートの補足で触れるかもしれませんが、)パレイドリア現象といって、
何でもない刺激から「普段から見知った」パターンを想起してしまう。
というような現象があるのです。
いったいこういう性的メッセージを見つける人は普段から何を考えているんですかねぇ…(意味深)

「普段からそんなことばっかり考えてるからそう思うんだよ。」
というのは実際に心理学で認められた効果の一つなんですね。
幽霊の「顔のように見える」、というのも、普段人の顔をよく見ているからだったりするわけです。
だから、心霊写真は顔がとても多く、手がその次に多いですよね。
足や腰、背中といったものは映らない。
自分の手や、他人の顔をよく見ますが、それ以外の部位はそうそう見る機会がありません。
なのでそういった印象を受けやすいんですね。
(私は信じていませんが。すべてを偽物といっているわけではないのでご注意ください)

本日はここまで。

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