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ゆかりさんと学ぶ心の科学入門 休み時間 1 「シミュラクラ現象」の補足


本編はこちら
ゆかりさんと学ぶ心の科学入門 休み時間 1 心霊写真は怖くない!!
(第一回講座動画投稿祭参加作品)

25LCs(ニコニコラーニングコモンズ)主催の第一回講座動画投稿祭で投稿した動画となります、
参加されました投稿者の方々、本当にありがとうございました。

シミュラクラ現象とは


simulacrum(像、見せかけ)という意味の単語からきている
「Simulacra(シミュラクラ)」という現象ですが、日本語では「類像現象」と言われます。
動画内でも紹介した通り、ゲシュタルト心理学分野の現象であり、
「点や線が逆三角形になるように配置されているものを顔であると知覚する現象」
です。
人間でも犬でも猫でも蛇でもそうですが、目が上に二つ、その中間の下に口が一つ。
とほぼすべての生物において、目と口の(あるいは目と鼻でもいいですが)配置は
逆三角形になります、なのでこういった現象が起こると考えられているようです。

( √∵)<私が神だ

は顔に見えますが

( √∴)<お前だったのか…

こっちは顔には見えませんね。
(これは逆三角形以外の要素がありますので後日紹介するパレイドリア的な要素も含みますね。)

この現象は顔認証システムなどに流用されています、
目が二つ、口が一つだからそういうシステムになるのは当たり前。
ではなくて、
人が顔を知覚する方法(心理学)を機械制御(機械工学?)によって再現する。
という考え方になります。
人の代わりをするもの、人をしのぐ知能を持つもの
を作る場合には、心理学の知見が不可欠となります、
実際私の大学の教授に心理学博士でありながら工学博士でもある人もいます。

アポフェニアとは


アポフェニア(apophenia)とは無意味な情報の中から規則性や関連性などを見出すことを指す言葉です。
1958年にドイツの心理学者であるクラウス・コンラッド(Kraus Conrad)が
統合失調症の症状から作った造語です(Aaron 2010)。
元々は、患者さんが「最初に妄想を知覚した」という意味合いで作った言葉だそうです。

本動画に収録し、次回以降紹介予定の「パレイドリア」や、
以前紹介した「ギャンブラーの誤謬」といったものなどが
このアポフェニアに該当する現象となります。

パレイドリアであれば、自動車の正面が顔に見えたり、月にウサギの餅つきが見えたりするような現象を
ギャンブラーの誤謬であれば偶然の結果に規則性を探し始めたりするような現象を
それぞれ指しますね、
どちらも「ありもしない」ものに規則性や関連性を見出す現象ですね、
簡潔に説明するならば「妄想」でしょうか?
皆様にも割と経験があると思います。

大きな分類をすると以前少し触れましたが「認知バイアス」でもありますね。
認知の偏りです、
データサイエンス(統計科学)と誤謬(思い込み)では天と地ほどの差があります。
(そのデータサイエンスですら外れる時は外れますが…。)


引用文献

Mishara, Aaron (2010). “Klaus Conrad (1905–1961): Delusional Mood, Psychosis and Beginning Schizophrenia.”. Schizophr Bull 36 (1): 9–13.


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